さて、2011年3月11日の東日本大震災、またそれに伴う福島第一原発事故以来約4年を経過するのを前に、2015年1月31日、常磐線竜田駅(福島県楢葉町)~原ノ町駅(福島県南相馬市)に代行バスが運転開始され、久しぶりに常磐線が繋がりました。
竜田駅~原ノ町駅間のバスは、東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故以降初めて帰還困難区域を公共交通機関が通ったことになります。
2015年1月31日、バス代行開始時の時刻表は以下のとおり
下り
1便 竜田駅9時35分発→原ノ町駅10時50分着予定
3便 竜田駅20時10分発→原ノ町駅21時20分着予定
上り
2便 原ノ町駅6時50分発→竜田駅8時15分着予定
4便 原ノ町駅16時50分発→竜田駅18時15分着予定
なお、到着時刻は道路状況により多少前後する場合があります。
(特に上り便は朝夕の通勤時間帯に入るため多少の渋滞を考慮)
またバスが遅れた場合でも、電車への接続は出来ない場合があります。
本ブログをもとにして何か被害・不都合をこうむっても、本ブログ投稿者は何ら責任は負いません。
この点を考慮して、ご利用は自己責任で。
では竜田~原ノ町、及び相馬~亘理間代行バスを使い常磐線を往復してみましょう。
以下本ブログ中の画像・動画は2015年1月31日・2月1日撮影です。
乗車券は週末パスを利用。竜田~原ノ町の代行バスもJRの各企画乗車券類(週末パス・青春18きっぷ・北海道&東日本パス等)で利用可能。竜田~原ノ町間代行バスは乗車時にきっぷを提示、相馬~亘理間代行バスは乗車時及び降りるときもきっぷを提示。
上の週末パスの画像で、改札スタンプは右下から順に1月31日相馬駅・1月31日福島総合運輸区(本稿とは別に岩沼~仙台間東北本線普通列車にて)・2月1日原ノ町運輸区・2月1日亘理駅にて押してもらい、途中下車印は右下に原ノ町駅・上部に亘理駅で押してもらっています。
なお竜田~原ノ町間代行バスは改札スタンプの用意が無いため乗車券に改札スタンプ押印は不可、代行バス乗務員による乗車券発売はないため事前に乗車券類購入の上乗車とのこと。
★常磐線下り 東京方面→仙台方面
1乗車目
上野5時10分発→勝田7時04分着普通列車(上野→取手は快速)1321M
通常充当される車両:E531系10両(4・5号車はグリーン車)
4人向かい合わせボックスになるクロスシートは1・2・10号車(まれに9号車も)
この1321Mに取手まで先行する快速取手行き533HはE231系です。
常磐線全車種コンプリート乗車を目指す向きは取手まで乗車することも。
また土休日限定で茨城県内のJR線が大人通常2150円で1日乗り降り自由な「ときわ路パス」も取手駅の指定席券売機MVで発売しています。
快速取手行533Hから勝田行き1321Mまでの乗り換え時間は6分間、取手駅の階段は10号車中ほどと12号車中ほどにあります。
土浦付近で空は黎明となり(荒川沖→土浦)
霞ヶ浦にそそぐ恋瀬川を渡る(神立→高浜)
撮影時は、友部付近で日の出
左側の朝日が反射している高層ビルは、茨城県庁
上の画像の動画、友部→内原の日の出車窓(4分ちょうど)
水戸駅到着 立ち食いそば店(9号車付近)では、納豆入りのお蕎麦も食べられる
2乗車目
水戸7時14分発→竜田9時24分着普通列車669M
通常充当される車両:415系4両
水戸7時14分発竜田行きは、7時06分頃入線
竜田駅の位置がわからない人のために、いわき方面を付け加えている行先LED
常磐線日立市内より以北では、時折海が望める(画像は四ツ倉~久ノ浜)
3乗車目
竜田9時35分発→原ノ町10時50分着代行バス1便
通常充当される車両:元JRバス関東土浦支店のガーラ、元車号H651-00405・H651-00406で今は浜通り交通の常磐線代行バス専用車(トイレ付)
乗合自動車表示ガイドライン風に表示すると
委託者:東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)水戸支社
受託者:浜通り交通株式会社
という感じになるのでしょうか
竜田駅で原ノ町行き代行バスに乗り換え。最後尾1号車が竜田駅の出口に近い(画像は原ノ町駅に着いた代行バス)
原ノ町行き代行バスは、途中帰還困難区域を通る。富岡町の常磐線ガードをくぐった先の富岡消防署付近で帰還困難区域に入り、双葉町から浪江町に入る境界線付近で帰還困難区域を出る(画像は浪江町の帰還困難区域出口付近)
竜田→原ノ町間代行バスの前面展望・車載動画(54分44秒)
原ノ町駅到着後回送で駅をあとにする代行バス発車の動画(49秒)
原ノ町駅到着後、1時間以上待ち時間があるので駅前の立ち食いそば店に入る
原ノ町12時02分発→相馬12時19分着普通列車135M
通常充当される車両:701系2両
原ノ町駅には、東日本大震災以後常磐線が分断されて所属基地である勝田車両センターに戻ることのできない、震災当日特急スーパーひたち15号~スーパーひたち50号に使用されていた651系K202編成とその後ろには普通列車として使用していた415系K534編成が留置されたままとなっている。このまま現地で解体かとネット上で噂になっている。
上の原ノ町駅に留置されている651系K202編成、4両編成全体を動画でも撮影してみました(1分12秒)
原ノ町駅を発車する相馬行き701系電車と発車後の駅構内の様子(帰路時間があるので撮影・2分13秒)
相馬12時30分発→亘理13時31分着代行バス531便(各駅停車)
通常充当される車両:私が乗車した日は東日本急行さんが担当していました
バス車内より駒ヶ嶺駅を見る
津波で流失した常磐線線路も再建が着々と進んでいる(画像は坂元駅付近)
山下駅(山元町役場前)から国道6号に出る際に前方に海が遠望できる
相馬→亘理間代行バスの前面展望・車載動画(58分39秒)
亘理駅に到着
渋滞等を考慮してバスから電車への接続時間に余裕があるせいか、代行バスから仙台行き電車に乗り換え客で待合室は大勢の人でいっぱいでした
6乗車目
亘理13時56分発→仙台14時28分着普通列車245M
通常充当される車両:E721系4両
亘理駅は写真で見るようにホーム右側が広いですが、電車が停まっている線路は元々(東日本大震災前)貨物列車が待ち合わせする線路でしたが、東日本大震災後亘理駅での折り返しに備え、信号設備の関係で駅舎に接する1番線線路の上に1番線ホームを延長し、中線を1番線線路として使用しています。
岩沼駅で東北本線と合流し、その先は東北本線で仙台に向かう
この行程をまとめた動画です(12分28秒)
この常磐線下り方向乗り継ぎスケジュールをおさらい
1.上野駅9番線5:10発→[普通(取手まで快速)勝田行き]→水戸駅4番線(進行方向左側ドア)6:58着
2.水戸駅3番線7:14発→[普通いわき方面竜田行き]→竜田駅3番線(進行方向左側ドア)9:24着
3.竜田駅改札出て右のバス乗り場9:35発→[常磐線代行バス原ノ町行き]→原ノ町駅10:50着
4.原ノ町駅改札入って正面1番線12:02発→[普通相馬行き]→相馬駅1番線(進行方向左側ドア)12:19着
5.相馬駅改札出て正面バス乗り場12:30発→[常磐線代行バス亘理行き]→亘理駅13:31着
6.亘理駅改札入って正面1番線13:56発→[普通仙台行き]→仙台駅4番線(進行方向左側ドア)14:28着
この乗り継ぎでは水戸駅・竜田駅・原ノ町駅・相馬駅・亘理駅で階段を一切使いません。ただし代行バス車内への乗り降りは階段が数段あります。また駅と代行バスの間を移動する際道路の段差は歩くルートによりある場合があります。
常磐線全車種コンプリート乗車を目指す向きは、上野→取手間を先行する快速取手行きがE231系、水戸または勝田で竜田行きに先行する普通いわき行きがE501系、また岩沼で後続の東北本線白石から来る普通仙台行きだと719系で全車種コンプリート乗車可能です。
時刻・番線はダイヤの乱れ等により変更される場合があります(特に代行バスは道路状況により前後する場合あり)。。あくまで所定時刻・番線で紹介しています。
普通列車で東北本線経由で乗り継いでも、主に上野~宇都宮・宇都宮~黒磯・黒磯~郡山・郡山~福島・福島~仙台と5列車の乗り継ぎが主であり、また福島~仙台は時間帯によっては更に白石で乗り換えになることがあり、その場合は6列車乗車となり常磐線~代行バス経由と同じになります。
ちなみにこの常磐線乗り継ぎパターンの場合、階段乗り換えはありません。
東北本線経由の場合、宇都宮駅や黒磯駅で階段乗り換えとなることが多く、楽に乗り継ぎする場合では常磐線にも分がありますね。
ただ、バスの定時性や、原ノ町駅での長時間待ち合わせがネックになります。
参考までに東北本線で仙台から先へ普通列車で小牛田方面に北上すると、時刻表上で乗り継ぎ検索してみると盛岡に18時07分着~山田線方面及び田沢湖線方面普通列車に好接続、北海道&東日本パスでIGRいわて銀河鉄道~青い森鉄道に乗車すると盛岡駅での乗り換え時間がかなり短いものの青森に22時12分着~札幌方面急行はまなす22時18分発に間に合いますが、万が一何か不測の事態にあったときに接続しない可能性もありますのでご利用は自己責任でお願いします。
☆常磐線上り 仙台方面→東京方面
仙台14時35分発→亘理15時06分着、浜吉田行普通列車248M
通常充当される車両:719系4両
(※注:画像は東北本線列車画像を代用した719系電車のイメージです。実際には正面上の行先方向幕が快速仙台ではなく浜吉田となる)
常磐線起点駅の岩沼駅
未だに(2015年2月現在)特急スーパーひたち乗車口が残されている
2乗車目
亘理15時15分発→相馬16時16分着代行バス528便(各駅停車)
通常充当される車両:JRバス東北が主だが、仙台周辺のバス
事業者になる場合もあるかも
(※注:画像はこの1本前14時25分発の新地しか停車しない快速便)
津波で流失した常磐線線路も再建が着々と進んでいる(画像は坂元駅付近)
東日本大震災で津波が襲来した箇所も通る
道標は宮城県と福島県で標記が多少異なる
(上は宮城県・下は福島県の道標)
亘理→相馬間代行バスの前面展望・車載動画(この乗り継ぎ1本前の亘理駅14:25発新地駅しか停車しない快速便・54分8秒)
3乗車目
相馬16時26分発→原ノ町16時44分着普通列車140M
通常充当される車両:701系2両
相馬駅電車到着シーン動画(2分1秒)
相馬駅は列車別改札を実施しており、原ノ町からの電車到着間際しか改札口のドアが開かない
4乗車目
原ノ町16時50分発→竜田18時15分着代行バス4便
通常充当される車両:元JRバス関東土浦支店のガーラ、元車号H651-00405・H651-00406で今は浜通り交通の常磐線代行バス専用車(トイレ付)
原ノ町駅バス停は、駅改札から駅舎の外に出て左側、交番前にある
代行バス運行開始を祝い横断幕も掲げられた
原ノ町駅に入ってくる午後・夕方の上り4便竜田行き常磐線代行バス到着動画(1分6秒)
原ノ町→竜田間代行バスの前面展望・車載動画(ガイド案内あり運行初日午後便にて・56分41秒)
同時に撮影した福島第一原子力発電所方面の車窓動画(1分)
5乗車目
竜田18時29分発→いわき19時03分着普通列車686M
通常充当される車両:415系4両(画像は686Mになる前)
竜田駅 18時22分に電車到着シーン動画(1分18秒)
いわき駅では次に乗車する列車へは階段乗換
先頭1号車1番前のドアと、前から3両目後ろから2両目である3号車後ろ側のドアが階段近い
6乗車目
いわき19時08分発→勝田20時35分着、水戸行普通列車580M
通常充当される車両:E501系10両
勝田駅では次に乗車する上野行き普通列車へは階段乗換
6号車前寄りのドアと、8号車後ろ側のドアが階段近い
7乗車目
水戸20時48分発→上野22時53分着普通列車1466M
通常充当される車両:E531系10両
この行程をまとめた動画です(24分51秒)
この常磐線上り方向乗り継ぎスケジュールをおさらい
1.仙台駅4番線14:35発→[普通浜吉田行き]→亘理駅1番線(進行方向右側ドア)15:06着
2.亘理駅改札出て右のバス乗り場15:15発→[常磐線代行バス相馬行き]→相馬駅16:16着
3.相馬駅改札入って正面1番線16:26発→[普通原ノ町行き]→原ノ町駅1番線(進行方向右側ドア)16:44着
4.原ノ町駅改札出て左側バス乗り場16:50発→[常磐線代行バス竜田行き]→竜田駅18:15着
5.竜田駅改札入って正面奥3番線18:29発→[普通いわき行き]→いわき駅3番線(進行方向右側ドア)19:03着
※いわき駅の階段・エスカレーター近い位置は先頭車(1号車)1番前ドアと前から3両目(3号車)1番後ろのドアです
6.いわき駅階段上がって2番線から19:08発→[普通水戸行き]→勝田駅2番線(進行方向左側ドア)20:35着
※勝田駅の階段・エスカレーター近い位置は6号車前から1・2番目ドアと8号車一番後ろのドアです
7.勝田駅階段上がって3番線から20:48発→[普通上野行き]→上野駅11番線(進行方向左側ドア)22:53着
時刻・番線はダイヤの乱れ等により変更される場合があります(特に代行バスは道路状況により前後する場合あり)。あくまで所定時刻・番線で紹介しています。
上野から東京に出て、臨時夜行快速「ムーンライトながら」に間に合いそうな上野駅到着時刻と思われますが、万が一ダイヤの乱れや代行バスで交通渋滞があり不接続になる可能性があるのでおすすめしません。
参考までに、上野駅からの山手線は平日22:56/23:01発、土休日22:58発、京浜東北線は平日22:59発桜木町行き、土休日22:55発磯子行き(いずれも2014年3月改正ダイヤ)で、東京駅まで約7~8分です。